「従業員を守ること」と「経営者の新たな人生」を両立させたM&A

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「従業員を守ること」と「経営者の新たな人生」を両立させたM&A

「従業員を守ること」と「経営者の新たな人生」を両立させたM&A。SECURITY BRIDGEの支援で2ヶ月で成約したスマートな事例を紹介。

経営者として、会社とともに人生を捧げるのもひとつの正解。一方で、会社を生み育てた経験をもとに新たな形で社会貢献するというのも、また正しい選択です。自らが生み育てた愛着のある会社、従業員、そして取引先を守りつつ、次なる一歩を踏み出す。それができるのもM&Aの大きな魅力と言えるでしょう。今回は、そんな新たなスタートとなったM&Aの成功事例をご紹介いたします。

譲渡企業:非公開

エリア:千葉県

事業内容:1号警備、2号警備、ビルメンテナンス

譲受企業:非公開


「やってみたい」という直感を大切に、アルバイトから創業社長へ

警備の現場経験を持つ社長によって2003年に創業。千葉県に拠点を構え、従業員数約100名を擁する会社へと成長を続けてきました。特長は、商業施設などの施設警備や道路の交通誘導をメインにビル内の設備メンテナンス、清掃など、お客様のご要望に応じて幅広くサービスを提供できる事業展開。コロナ禍では一時的に苦しい状況を経験しながらも、日常が戻るとすぐにV字回復を遂げることに成功した優良企業です。


創業したきっかけとは

警備業界に入ったきっかけはアルバイトでした。務めていた会社は、1人ひとりが存在感を放っていた中小企業。そこで面白い上司との出会いがあり、現場での働きぶりを評価してもらって本部の仕事に挑戦することになったんです。その後、可愛がってくれた上司が社長に就任すると、私も社長をサポートする立場で会社経営にも携わるようになりました。もともと起業願望があったわけではなかったのですが、ナンバー2として会社を見つめるうちに、徐々に独立してやっていきたいという気持ちが湧いてきました。そこで社長に「自分でやりたいです」と打ち明け、背中を押していただく形で会社を設立したんです。それが2003年、40歳間近のときでした。

会社の強みは?

強みは、通常の施設警備に加えて、清掃やビルメンテナンスといった総合ビル管理業務を展開しているところです。かつては「警備会社は警備1本」というのが主流でしたが、時代的にもこれからは施設関連のサービスを窓口一つで請け負うスタイルが求められるだろうと考え、幅広く手掛ける会社としてスタートしました。従業員に対しても「オールラウンダーを目指してほしい」と資格取得に向けた働きかけをしてきました。個人的には資格の有無に関係なく、職人的な経験の積み方も好きなんですが、やはりお客様の視点に立つと「資格を持っていること=プロフェッショナル」として伝わりやすいと思ってのことでした。

これまで大切にしてきたことは?

「社長として何が1番大事なことか?」と問われたら、私は「従業員を守ること」だと答えます。会社として利益を出すことが1番のミッションだと思われるかもしれませんが、それも最終的にはやっぱり従業員を守ることに繋がっていますから。特に、この業界は「人」ありき。マンパワーが肝となりますので、いかに従業員が前向きに誇りを持って活躍できるかが、会社としての価値にも直結すると思っています。様々なバックボーンを持つ人たちが従業員として仲間入りを果たすので、誰もがスムーズに現場デビューできるように研修制度を整備し、定期的な勉強会や交流会を開催するなど、従業員にとって武器となるスキルを身につけられるような仕組みづくりに注力してきました。


V字回復の今こそ、力のある企業と手を結ぶ好機!?

時代の流れを読み、顧客ニーズを掴んだ事業展開で着実に成長を遂げることに成功。そんな社長でも予測することができなかったのが、新型コロナウイルスによるパンデミックでした。人々の外出が控えられ、警備業界全体の売り上げが大幅に落ち込む中、同様に売上高が減少。しかし、社会が日常を取り戻すころには見事にV字回復を遂げたのです。とはいえ、今後も想定外の危機が訪れる可能性も。「業績が回復した今こそ、力のある企業グループとともに歩む道を模索する時なのではないか」そう考え、本格的にM&Aの検討に入ることにしたのです。


会社を譲渡しようとしたきっかけとは?

おかげさまで、会社の状況は悪くありませんでした。従業員数も100名ほどに拡大。研修制度に注力した成果もあってしっかりと育ってくれていましたし、お客様とのお付き合いも良好でしたので、地道に成長を続けていくことができたのです。もちろん外出ができなかったコロナ禍には一時時的に業績が悪化したものの、それも警備業界全体に言えること。うちだけが特別苦しい状況になったわけではありませんので、できることをコツコツと続けていれば大丈夫だと考えていました。そうして社会が落ち着くのに伴って、会社の経営状況もまた平穏を取り戻していったのです。しかし、無事に黒字経営に戻すことができたとはいえ、いつまたこのように想定外の危機が訪れるかもしれないという不安は常によぎるようになりました。今回はたまたまうまくいっただけかもしれない。もしかしたら、このタイミングで力のある会社のグループに入ったほうがいいのではないかと。実は、設立当初から事業継承か、売却か、休廃業か……ゆくゆくは経営者としていずれかの選択をするのだと覚悟をしていました。経営者も人間です。どんな形であれ、最終的には会社を誰かにお願いする日がくる。ならば、よりスムーズにことが運べるときにその選択をするべきではないかと。そう考えて、M&Aを検討し始めました。


SECURITY BRIDGEにあった「この人になら託せる」という直感

SECURITY BRIDGEとの出会いは、すでに3〜4社M&A仲介会社から話を聞き、本格的に検討し始めたころだったそう。社長は「最初は無視しようと思っていた」と笑顔を浮かべながら当時のことを振り返ります。しかし「なぜ警備業界に特化しているのか」という話を聞いてSECURITY BRIDGEの考えに共感。「最終的には直感ですね。この人になら託せると思えた」と心を決めると、2ヶ月でM&A契約が成立するというスマートな展開が待っていました。


SECURITY BRIDGEとの出会い

SECURITY BRIDGEを知ったのは、榎本社長からいただいたご連絡がきっかけでした。しかし、すでに他のM&A仲介会社と動き出していたタイミングでしたので、すぐにお断りをしていたんです。ただ経営者として「警備業界に特化している」というところが気になって。そもそもいろいろな業界の会社を手掛けて、間口は広くしたほうがビジネスチャンスは多いじゃないですか。そこをあえて絞っている理由を知りたくて、一度くらいは話を聞いてみようと思ったんです。すると榎本社長から「業界に深く入り込んでいるからこそ、適切なアドバイスや支援ができる」というお話に深く納得。その熱意にも心を打たれました。「この人なら会社を託せる」とアドバイザリー契約を結ぶことにしたんです。

マッチングから成約に至るまでの流れ

そこからは早かったですね。すぐに榎本社長から候補となる企業様をご紹介いただき、とにかくトントン拍子に話が進んで、2ヶ月後にはM&Aが成立していましたから。正直こんなにスムーズにいくのかと驚きました。嬉しかったのは、譲渡先企業との相性の良さまで考えられていたこと。私自身が創業社長ということもあり、譲渡先企業の社長様がご自身で立ち上げられた方で、上場まで果たされている点に心が動きました。しかも、創業初期のメンバーが残って一緒にやっているところにも「すごいな」と感動。なかなかできることではありませんから。そんなリスペクトできる相手と出会えたのも、やはり業界に精通している榎本社長だからこそだと感じました。

譲渡に至るまでの不安やSECURITY BRIDGEのサポートについて

M&Aのプロとしてスピード感を持って仕事をされているところに心強さがあったのはもちろんですが、榎本社長には人間的な部分でも魅力を感じました。どんな場面であっても、やはり最終的には人と人との相性の良さを直感できるかどうかだと思います。実は、榎本社長の奥様と私が同じ中学校の出身だったという不思議なご縁も、雑談の中でわかったこと。会社やM&Aについてだけではなく、そうした家族のことや人生観についてなど、なんでもざっくばらんに話ができることも私の中ではありがたかったです。M&Aという大きな決断をするからこそ、心を開いて話せる相手かどうかというのもすごく大切なことだったんだなと思います。


M&Aは、みんながハッピーになる選択肢のひとつ

アドバイザリー契約から2ヶ月でM&Aが成立。「『語れるエピソードがない』というくらい、トラブルもなくスムーズに進みましたよ(笑)」と振り返る社長でしたが、その笑顔には安堵の表情も滲んでいるように見えました。まだまだM&Aに対する世間の厳しい眼差しがあるのを感じながらも、実際に経験してみた社長が実感したこととは?


M&Aを通じての感想

まずは、無事にM&Aが成立してホッとしました。譲渡先企業との話し合いの結果、従業員たちの生活が守られたことにすごく感謝しています。また、長年のお付き合いがあるお客様との繋がりもそのままに、会社名も残すことができました。こんなにもスムーズに、そしてこちらの意志を尊重してくださる形で話がまとまるなんて。本当にM&Aをして良かったと思っています。今後の目標は、警備とはまた違った分野で新規事業を展開していきたいと思っています。そんなふうに次の「やってみたい」と思うことに安心して飛び込めるのも、やはり「いい出会いだった」と言えるM&Aができたからこそです。60代からの新たな歩みに、今とてもワクワクしています。

M&Aを検討している経営者へのメッセージ

正直まだまだM&Aに対して否定的な見方があるのも事実。ですが、実際にその選択肢を取ってみて、個人的にはすごくいいシステムだと思いました。もちろん自分が生み育てた会社ですから、私にも会社への愛着があります。一生会社と添い遂げる生き方もひとつの正解だとも思います。しかし、それだけが経営者人生のすべてではない、と。極端な話、お金は稼げば戻ってくるけど、時間は二度と戻りません。経営者もひとりの人間。自分の時間をどう使って生きていくかを考えて、悔いのないように生きる。それが結果として会社や従業員たちを守り、みんなをハッピーにする選択に繋がっていくかもしれない。その手段のひとつとしてM&Aというシステムが活用されていくことを願っています。


多彩な警備サービスを展開する企業を、上場グループへとお繋ぎしました

コロナ禍を経て、従業員たちが安心して働き続けられる環境を守ろうと、M&Aに踏み切られた社長。譲渡先は警備業界を牽引する上場企業グループであることも「安心できた」とおっしゃっていました。次はまた新たな事業を手掛けていくそうで、そのはつらつとした姿が印象的でした。「人生100年時代」と言われている現代。次なるステージに向けたスタートとしてのM&Aをご検討されている方も、ぜひご相談ください。