警備業界M&Aコラム

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警備業界で倒産が増加している背景と、経営者が今考えるべき選択肢

業界動向
警備業界で倒産が増加している背景と、経営者が今考えるべき選択肢

警備業界で倒産が増えている背景

結論:警備業界の倒産増加は景気悪化ではなく、人手不足・人件費などのコスト上昇・投資格差という構造的な要因が重なった結果である。

東京商工リサーチによると、2025年度の警備業の倒産件数は過去20年で最多となっています(出典:東京商工リサーチ TSRデータインサイト)。 注目すべきは、倒産の75%が従業員数10人未満の小規模事業者であるという点です。

警備業は需要が堅調な業種です。それにもかかわらず倒産が増えているのは、以下の構造的な課題が重なっているためです。

  • 警備員不足の深刻化:保安職種の有効求人倍率は約7倍と、全業種平均の約6倍にのぼる水準が続いている(出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」)
  • 人件費の上昇:最低賃金の引き上げや社会保険料の負担増が、労働集約型の警備業に直撃している
  • 価格転嫁の難しさ:元請けとの力関係や入札構造の中で、コスト増を単価に反映しきれない
  • テクノロジー投資の格差:大手がAIカメラやロボットによる省人化を進める一方、小規模事業者はその投資余力がない
  • 採用投資の格差:警備需要の拡大に伴い、資本力のある警備会社では待遇改善や多額の求人広告費の投下など採用投資が進んでおり、小規模事業者には人材が集まりにくい状況となっている。


    つまり、需要はあっても「人を集められない」「コストを吸収できない」「投資で追いつけない」事業者から脱落していく構造が生まれています。

なぜ中小警備会社の経営環境は厳しくなっているのか



結論:採用難・コスト増・単価交渉力の弱さが同時に進行し、とくに小規模事業者ほど経営の余裕がなくなっている。

警察庁「警備業の概況」によると、2024年末時点で警備業者数は10,811社にのぼり、その約90%が警備員100人未満の事業者です。さらに、5人以下の零細事業者が全体の約26%を占めています。

こうした小規模事業者が直面しているのは、三重の圧力です。

1. 採用がますます難しくなっている
業者数が増える一方で生産年齢人口は減少し、限られた労働力の奪い合いが続いています。警備員の約47%が60歳以上であり、今後5〜10年で大量退職が見込まれます。

2. 人件費が構造的に上昇している
最低賃金の引き上げや社会保険料の負担増が毎年続いており、人件費比率が高い警備業の利益を直接圧迫しています。

3. 単価を上げにくい構造がある
元請け企業との力関係や入札による受注では、警備単価の引き上げを主張しにくいのが実情です。経営者の方からも「人件費は上がるのに、単価交渉がなかなか通らない」という声をよくいただきます。



私が現場で感じているのは、これらの課題が同時に押し寄せているということです。採用できない、コストは上がる、投資の余裕もない。この悪循環に陥ると、経営の選択肢は急速に狭まります。


今後起こりうる業界再編の方向性


結論:小規模事業者の淘汰が進み、採用力・投資力のある企業への集約が加速する見通しである。

業界の構造を見れば、再編の流れは避けられないと考えています。

  • 小規模事業者の淘汰:人材確保もテクノロジー投資も、一定の経営規模がなければ対応が難しい。単独での存続が困難な事業者は今後も増える
  • 規模のある企業への集約:大手・中堅企業は人材とエリアの確保を目的に、M&Aによる規模拡大を積極的に進めている
  • M&A件数の増加:実際に、警備業界でのM&A相談は増加傾向にある。業績が安定しているうちに将来を見据えて動く経営者も少なくない

実際の支援でも、業績が黒字のうちに「従業員の高齢化と人材不足」を理由にM&Aを決断される経営者は増えています。会社に体力があるうちに判断することが、従業員や取引先にとっても良い結果につながりやすいというのが実感です。


警備会社の経営者が考えるべき選択肢

結論:現状維持はリスクが高まっている。自社の状況に合った手段を早めに検討することが重要である。

業界の構造変化を前提にすると、経営者が検討すべき選択肢は主に3つあります。

  • 自力での規模拡大:採用力の強化、エリア拡大、サービスの多角化。ただし投資と時間が必要で、小規模事業者にはハードルが高い
  • M&A :地場で築いてきたブランドを維持しつつ、大手グループの採用力やブランド力などの経営資源を活用することが可能。
  • 計画的な事業承継:親族や社内の後継者に引き継ぐ場合でも、早期の準備と体制構築が不可欠

    どの選択肢が最適かは、会社の状況や経営者の意向によって異なります。重要なのは、「まだ大丈夫」と先送りにせず、選択肢がある段階で情報を集め始めることです。

まとめ

  • 警備業界の倒産増加は、人手不足・人件費上昇・投資格差という構造的な問題が背景にある
  • とくに小規模事業者は、採用難・コスト増・単価交渉力の弱さが重なり、経営環境が厳しさを増している
  • 業界再編は今後さらに進む見通しであり、経営に余裕があるうちに選択肢を検討することが、従業員と取引先を守ることにつながる

よくある質問

Q. 業績が黒字でもM&Aを検討すべきですか?
黒字のうちに検討を始める方が、条件面でも選択肢の広さでも有利です。赤字に転落してからでは交渉力が下がるため、早めに情報を集めておくことをお勧めします。
Q. 小規模な警備会社でもM&Aの対象になりますか?
対象になります。エリアや人材の確保を目的としたM&Aが増えており、数十名規模の会社にも引き合いがあります。財務面だけでなく「人の価値」が評価されるケースも少なくありません。
Q. M&Aを検討する場合、最初に何をすればよいですか?
自社の財務状況や定性面の強みなどを整理し、警備業界に詳しいM&Aアドバイザーに相談するのが第一歩です。初期段階の情報整理だけでも、判断材料になります。

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警備業界のM&Aや事業承継は、会社の規模や地域、承継スキームなどによって最適な進め方が異なります。検討を始めたばかりの段階でも問題ありません。

『自社の場合はどう考えるべきか』『今すぐ動くべきか、それとも準備期間を設けるべきか』など、状況整理から丁寧にサポートいたします。

警備業界に特化したアドバイザーが、経営者の意思決定を中立的な立場でお手伝いします。


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